覚王山

覚王山ひらき。入ってすぐ雑誌置き場にささった週刊プレイボーイのどぎつい表紙。グラビアアイドルが1ダースくらい、重なり合ってるやつ。オイルでつやつやした肌に、赤いスパンコールの水着。バックは真っ暗。日替わり定食A。まず蒸し鶏サラダだけでてきた。ナポリタン待ち。食後のコーヒーをアイスにしたから+50円で800円。右隣の夫婦が出てきたナポリタンを見て懐かしがっていた。昔ながらだから。お米と沢庵を少し残した。アイスコーヒーのシロップとミルクを入れる前に持って行かれる不覚。
 (覚王山ローソン。アジカンのチケットでごねた店。冷たいものが飲みたくなって入った。ドリンクが美味しそうに並んでた。野菜と果実のスムージー、チアシード入り買った。野菜ジュースにチアシード入れた飲み物。店の前で欧米人の男が英語を話していた。暑い。)
ローソンで買った飲み物のゴミを捨ててもらった。ザラメに行くまでに腹ごなしに散策する。覚王山日泰寺へ。山号の覚王は釈迦を表し、寺号の日泰は日本とタイの友好を願ってつけられた。門を入ってすぐのところで日よけのテントを設営していた。明日21日は参道の縁日だ。寺の敷地内にも出店のテントがいくつかあった。恐る恐る自転車で侵入。賽銭箱の前に1人、すぐ脇に2人。寺のなかからお経の合唱が。奥の仏壇?の前で十数人のお坊さんたちが列になってその場をぐるぐると回りながらお経を唱えていた。同じメロディだけど一人一人の声質や高さが異なるためにハモって聞こえる。ところどころで古い文語で聞き覚えのある言葉を耳が拾った。「欲望」という言葉も聞いた。寺の敷地からはグランドメゾン池下ザ・タワーがみえる。覚王山駅前の高いマンションがみえる。南山の方に赤と白の鉄塔がみえる。敷地内には釈迦の仏舎利を納めた奉安塔。境内の床板の下で女の子が2人遊んでいる。黄色い花輪をかけられたゾウの石像が二体。酸性雨を浴びまくったイギリス人の銅像が一体。鳥山明のデザインする鳥系のモンスターの赤いトサカみたいな花が咲いた低木が二本。清潔なトイレ。揚輝荘の輝く葉がのぞく。木陰の地蔵、静かに水滴の続く手水舎(ちょうずや)。門へ走る女の子、石に寄りかかって1人遊ぶ女の子。名古屋市千種区山門町。自転車にまたがり元来た道へ。門から同年代の女が三人。
揚輝荘の方へ向かう。男の子が赤いスポーツバイクで坂を登ってくる。息が弾んでいる。揚輝荘、松坂屋の初代が建てた別荘。今は名古屋市に寄贈されている。月曜休館。「開店休業」。ユニコーンの曲をフジファブリックがカバーしたやつを昔持っていた。地味な題名だったし聞いてなかった。今となっては聞き込んでいればよかったと思う。その曲が描いた分だけ人生が明らかにされていた。「何を見ても何かを思い出す」これはヘミングウェイ短編集。何を聞いても、見ても、自分の人生に関連付けて考えることができる。人生で過ぎた時間が重なるほどに、テキストが読み取らせる意味も増えていく。
 揚輝荘から道沿いに水道塔のほうへ。大小の地蔵、古びた木製の看板。「覚王山何カ所巡りの何番地」。いい感じに古びれたアパートが数軒。すれ違う三台の自動車。覚王山ハイツと覚王山ハイツ2。鯖大師と書いたよだれかけをつけた地蔵。引き返して、さっきの少年が登っていた坂を自分も登って、ザラメへ。

 エクセレントカフェオレとかなんとかいうカフェオレの1番高いやつ。甘いやつ。まだ食べてないけどロータスのビスケット、多分甘いやつ。お客さんはみんなパンとかドーナツとかをショーウィンドウから選んでテイクアウトしていく。俺の部屋はきたないから持って帰って食べるのはいや。店内で食べているのは今は俺ともう1人奥さんだけ。


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